浦和レッズ転換期

昨日の試合、まだ映像は見てないが、色んな戦評を見る限り、内容的にも完敗だったみたいだね。戦評には、個人技に依存した監督の戦術・ビジョンの無さ、選手の苦悩が記載されている。如何に優秀な選手を集めても、チームとして機能しなければ力を発揮することは出来ない。逆もまた真なりで、選手の力は平凡でも、優れた戦術があればビッグクラブを倒すことも出来ることは、大分、千葉、甲府など多くのクラブが証明している。確かに代表レベルの有名選手の個人技は弱小クラブの平凡な選手には脅威だし、圧倒的な個人技で勝ち進むこともある。しかし、限界がある。2006年、2007年は徹底的な守備+個人技で勝ち進み、リーグ優勝、ACL優勝を勝ち取った。これは、昔エメルソン擁するオフトレッズの時代に築いた守備のベースの上に成り立っている。しかし、浦和レッズには攻撃のベースが無い。オフトの後に就任したブッフバルトオジェックエンゲルスとも攻撃に関する戦略を確立することが出来なかったからだ。これは勿論彼らの責任ではあるが、今や代表に何人も送り込むほどの陣容となった浦和レッズにおいて、監督の戦術を浸透させるのは至難の業とも言える。ブッフバルト然り、オジェック然り、エンゲルス然りだが、何れも自らの戦術を試みるが、結果が出ないと(或いは試す以前に)選手は直ぐに監督を疑い、信頼関係を失い、過去の栄光(原点は2003年ナビスコカップ優勝)という旧来の安住スタイル(3-5-2で徹底的に守り、カウンターからエメルソン、田中達也の個人技で得点)に舞い戻る。これを打破するためには、確かな戦術もさることながら、闘莉王を始めとする有名選手に有無を言わせずに従わせるリーダーシップが必要だ。そういう意味では、今年初めのオジェック解任は、フロントの判断としては不味かった。無論、オジェックも前述の通り無策な監督に成り下がっていた。しかし、闘莉王ら選手の監督批判〜解任という流れは、明らかに選手を甘やかし、チームの規律を蝕んだ。後任のエンゲルス監督が選手寄りの親しみやすい人だったことも、それを助長した。選手もそろそろ気付いているはずだ。選手個人が夫々戦術を考え、提案することは大事なことだと思うが、最後に戦術を決め、引っ張っていくのは監督の仕事だ。選手はどんな監督でも、監督を敬い、監督の戦術は結果が出なくても全力で遂行する義務がある。浦和レッズのフロントが来季どんな監督を引っ張ってくるか楽しみにしたい所だが*1、是非とも選手には新監督に全面的に協力、というよりは、共に目指すサッカーを共有し、頂点を目指して欲しいものです。

本当は、過去の栄光を築いたオフトが過去の栄光に基づいた旧来のスタイルを打破するのが理想だったが、磐田の監督になっちゃったからねぇ。残念。とにかく、残り試合、来期に向けても全力で戦おう。こんな情けない横断幕なんて止めてさ。

*1:中村修三君では些か心配だが