チャンピオンシップ復活?☆

1993年のJリーグ開幕から2004年まで、Jリーグは2シーズン制で開催し、1stステージの覇者と2ndステージの覇者がチャンピオンシップで日本一(リーグ優勝)を争っていた*1。当時でも欧州など外国のプロサッカーリーグでは1シーズン制が常識だったが、プロサッカーに馴染みのない日本人にサッカーの楽しさを訴求するため、プロ野球の日本シリーズをお手本に採用された方式だと思う。他にも、基本的に引き分けがないプロ野球に倣い、90分間で決着がつかないと延長戦に突入し先に得点した方が勝ち(勝ち点2)という延長Vゴール方式まで編み出していた。こうした先人の努力の甲斐あってプロ野球をお手本に発展を続けたJリーグは、徐々にルールを世界基準へと修正してきた。1シーズン制への移行(チャンピオンシップの廃止)しかり、延長Vゴール方式の廃止(引き分け勝ち点1方式の開始)しかりだ。
しかし、ここへきてJリーグ人気は伸び悩み、再びプロ野球をお手本とした新チャンピオンシップを採用しようとする動きがあるらしい。確かに最近のJリーグは盛り上がりに欠けている面は否めない。再びプロ野球の良い所を取り入れるという考え方自体、悪くはないとは思う。しかし、日本のクライマックスシリーズをお手本にしたやり方というのは賛成しかねる。これはリーグ優勝の考え方の根幹に係わる。例えば2004年のチャンピオンシップで横浜Fマリノスに敗れた浦和レッズだが、年間の勝ち点ではマリノスを上回り1位の成績だった。1シーズン制であれば優勝していた。年間を通じて安定した強さを示してきたチーム(従来までのリーグ優勝チーム)が、せいぜいホームアンドアウェイの2試合程度で2位、または3位のチームに敗れ優勝を逃すことが本来あるべき姿かどうか、よく議論してほしい。サッカーは怪我が多いスポーツで、そのためのサブの充実とかを含めた総合力で強さを競う所がある。Jリーグ1位のチームに怪我人が出てチャンピオンシップで敗れた場合、本当に優勝にふさわしいチームはどこだったのか?という話にはならないか?改革の必要性は認めるものの、やり方については再考が必要ではないか?
厳しい見方をすると、今のJリーグは背伸びをしたリーグ構成になっている。実力のある日本人がまだまだ少ないにもかかわらず、J1のチーム数を欧州並みの18チームまで増やし、かつ、外国人枠は多少緩和されたもののまだ少ない。これではJ1のサッカーの質が低下するのも仕方がない。ドライにいえば、チーム数を減らし、優秀な選手だけでJ1を構成すれば、今よりも質の高い、エンターテイメント性の高い試合が見れるのではないか。それにより失業する選手、クラブが出てくるかもしれないが、過渡期をどう乗り切るかは課題になる。

これから息子を駅まで送ってくる。気が向いたらまた書くかな。

*1:因みに浦和レッズJリーグ開幕からずっと低迷が続いたが、2004年の2ndステージで漸く優勝し、最後のチャンピオンシップに出場することが出来た。エメルソンらを擁するレッズは押し気味に試合を進めたが、あと一歩のところで優勝を横浜Fマリノスに譲ってしまった。